2022年度春学期 4月から7月まで、14回。
毎週水曜日15:20-17:00
教室 明治大学グローバルフロント(千代田区神田駿河台2-1)
授業の概要・到達目標
一つのミュージアムには、ある視点に基づいて取捨選択された資料が保存・研究・展示・教育利用されている。そして、資料(モノ)と学芸員や利用市民(ヒト)のつながりも生じ成長している。さらには、他のミュージアムを含む様々な社会の仕組みと相互に影響を及ぼしあっている。本講義では、これらの構造をネットワークとして理解した上で、その根底にある前提や課題を探究する。
現在、一般的にミュージアムの経営は財政的・組織的な困難にさらされている。社会全体の持続可能性を考えるうえで、ミュージアムの運営も見直しを迫られている。次の時代を担う受講生には、多様な視座に立ち現象・問題を虫瞰・鳥瞰することで自身の従前の視野を拡張し、より深く未来を考えることを期待する。
授業内容
- 4/13 第1回 多視点と虫瞰/鳥瞰(木を見て森も見る)とは何かを勘案する
- 4/20 第2回 ミュージアム利用体験を棚卸しする
- 4/27 第3回 視点(1)個人体験を分析する
- 5/11 第4回 視点(2)特定の資料・特定テーマのミュージアム群を凝視する
- 5/18 第5回 視点(3)実物の資料・ミュージアムとネット上の情報を対照する
- 5/25 第6回 視点(4)表現(ことば、画像/映像、等)の違いを探索する
- 5/29 番外 ニュースパーク(日本新聞博物館)見学
- 6/1 第7回 中間総括 視点(1)~(4)を顧みる
- 6/8 第8回 ミュージアム同士のネットワークを俯瞰する
- 6/15 第9回 視点(5)館の種類(歴史民俗、自然史、美術、動植物、等)を再考する
- 6/22 第10回 視点(6)ミュージアムと学校との関係を吟味する
- 6/29 第11回 視点(7)ミュージアムと図書館を比較する
- 7/6 第12回 視点(8)“おうちミュージアム”の活動を咀嚼する
- 7/13 第13回 2065年のミュージアムを設計する
- 7/20 第14回 全体総括 自らのものの見方を拵える
参考にした知見やツール等
- Awareness test
- 虹は何色?
- Google Mymap 博物館体験の洗出し
- ライフチャート 個人的な人生と博物館体験の繋がり
- 人口の推移・実績と予測
- 自治体の数の推移の実績
- 図書館と博物館の数の推移・実績
- 流動性知能と結晶性知能
- 語彙テスト
- Khcoder
- HTTrack
- Internet Archives
- 視野(大人と子どもの違い)博物館法の改正
- 図書館の自由に関する宣言
- ローカル地域の学芸員と司書
- リモート地域の博物館協会/協議会、教育委員会
参考にした博物館・企画展・資料等
- 杉並区立郷土博物館
- 明治大学博物館/阿久悠記念館
- 上野動物園
- ホンダコレクションホール
- アエンデ隕石
- 『ゴッホ展』国立西洋美術館
- 『仏像 一木にこめられた祈り』東京国立博物館
- 『アートアクアリウム展』
- 自然教育園
- 美ら海水族館とDMMかりゆし水族館
- “美術館女子” 東京都現代美術館
- 美術館ブロガー「青い日記帳」さん
- 『ポケモン化石博物館』国立科学博物館
- 『ピクサー展』東京都現代美術館
- チームラボ
- 和歌山県立博物館
- 海洋堂ホビー館四万十
- 日本新聞博物館/ニュースパーク
- 中央区まちかど展示館
- 徳島県立鳥居龍蔵記念博物館
- 四国村ミウゼウム/四国民家博物館
- 大塚国際美術館
- おうちミュージアム
- 知覧特攻平和会館 オンラインミュージアム
- 多摩六都科学館(広域行政圏で設立)
- 本の森ちゅうおう(図書館と博物館の併設)
次回の予定
2024年度春学期に開講予定