「自分史展覧会」博物館展示論@明治大学

2023/1/10 明治大学駿河台キャンパス

明治大学の井上由佳先生の博物館展示論の講義のプログラムでは、学生が製作した自分史展示を使った「自分史展覧会」を4回開いています。3か月かけて、大学生編・中高生編・小学生編・乳幼児期編と各々の記憶を遡ってきたあと、出そろった合計220展示を受けての最後の講義を受け持ちました。

毎回の展覧会で既にお互いの個々の展示はしっかり観察してきています。最終講義では会場配置図、目録、個人別文脈、時代別風景、全体俯瞰、・・・と視点をいくつか切り替えて、もう一度一緒に観察をしていきました。今年の新しい試みとして見学者視点で編集した10分の動線ビデオも講義内で視聴しました。

参加者数が想定上になって展示は2教室に分かれましたが、自分とは別の教室の展示をあらためて見ることができたと好評でした。また例年よりも発言が積極的だと感じました。文学部の講義に理工学部から参加した方のコメントも新しい刺激になりました。

井上由佳先生が文教大学勤務時代に考案・実施された「自分史展覧会」のプログラムを、2016年度からお手伝いしています。先生が明治大学に移籍されたあと今年度は過去最多の受講になりました。講義では、都度の参加数と実際の資料に合わせて、口語で扱う話題の広がりと深みのバランスを考えています。学生の平均余命は60年以上、これまでの3倍以上を生きる皆さんのヒントにもなればと思って拵えた講義内容です。

<参考>文教大学での実施報告(2019年)